2018年10月24日

ミトコンドリア機能低下と毛髪や皮膚の老化に関する新たな知見について日本生化学会大会にて発表

大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂]は、東京薬科大学との共同研究にてミトコンドリア機能低下と毛髪や皮膚の老化に関連性があるとの新たな知見を見出しました。
本研究は、京都府京都市にて開催された第91回日本生化学会大会(期間:9月24日~9月26日)において発表を行いました。

ミトコンドリアは生命活動に必要なエネルギーを合成する細胞小器官であり、近年、ミトコンドリアの様々な機能が見出され、ミトコンドリア機能異常が老化や様々な疾患の病態と関連することが明らかになりつつあります。
本研究では、ミトコンドリアの形態制御や品質管理等の分子として知られているミトコンドリアユビキチンリガーゼMITOL(別名:MARCH5)に着目しました。今回、発表した新たな知見は以下の内容です。

ヒトの毛包細胞及び三次元培養表皮において、MITOLの発現量を減少させると、

  1. ヒトの毛包細胞では毛包幹細胞の維持に関わる17型コラーゲン(COL17A1)遺伝子や色素幹細胞の維持等に関わるWNT7A、TGFβ2遺伝子の発現量が低下しました。これによりMITOLの発現低下は、脱毛や白髪の発生に関与する可能性が示されました。
  2. 三次元培養表皮では表皮の肥厚や角層構造の乱れが認められました。これによりMITOLの発現低下は、皮膚の乾燥やシワの発生につながる可能性が示されました。

これまでに毛髪や皮膚の老化(脱毛・白髪、乾燥・シワ等)に関する研究は様々行われていますが、今回初めてMITOLの発現低下と毛髪や皮膚の老化が関連することを見出しました。これらのことから、ミトコンドリア機能を活性化することでアンチエイジングを実現できることが期待されます。

今後、今回の研究成果を活用し、毛髪や皮膚のアンチエイジングにつながる製品の開発を進めてまいります。